妖縛記

まえがき(っぽいもの)          戻る

こんにちは。武神です。
このごろ、貴さんが俺に触発されてるみたいで・・・。がんばってますな。
前回のでは、主人公の説明とかよく解らなかったのではないのか?と思いまえがきにしました。
↓一応説明
神藤  一哉・・・術師「呪祷師」の一人。彼は破壊系の「呪祷師」であるが、子孫になればなるほど防御系に変化して・・・
 防御系の術師は、自分の姿をごまかしたり、術力が高い場合数年先なら未来予知することも可能です。
神藤 佐奈姫・・・元平凡な庶民。去年(崩変31年)、一哉に嫁に貰われました。この人物、最終話で非常ーーーーーに、
 大切な役割があります。そこらへん、お楽しみに。ヒロイン!?
  帝   ・・・この人物・・・。どこか胡散臭いです。最終話で暗躍します。
四 天 獣 ・・・まだ未登場ですが、一応紹介します。
 相当の実力派の怪魔4匹組み。とある人物と深く関係しています。してんじゅうと読みます。
とまあ、こんなところですかなあ・・・。
では、本編の始まりですよ。



妖縛記


   〜2〜(死と闇)


「今度は、あの屋敷の辺りにあいつ送り込むか・・・」
界巌帝のどかか暗闇で不気味で邪悪な声が聞こえてきた・・・。



もうそろそろ、夏になるところだろうか。
「ふう。暑いな。」
縁側で暑そうな顔をして座っているのは、あの男・神藤 一哉だ。
今日は佐奈姫は友達の所に行くとかで、屋敷にはいない。
「そういや、佐奈姫ももうすぐで19か・・・。何か、してやらねばならぬな。」
まだ佐奈姫は18歳なのである。まあ、この時代では普通のようだが・・・。
この日の気温は、35℃。まだ、夏にも差し掛かっていない。
原因はここ2週間の凄まじい日照りにあるのだが、未だ雲ひとつ無いのである。
普通、こうも日照りが続けば雨が必ず降るのだが全く降らない。
しかも界巌帝の外の諸国では普通の天気だというからこれまたおかしい。最も不可思議なのは、一哉の屋敷が中心となって日照りになっていることなのだが。
「だいたい、帝の館だけ最新型の冷房(この時代だからクーラーじゃないですよ!!)がついていることなど、許せぬ。」
つまり、「呪祷師」の様な人物でも真夏は涼むことはほぼ不可能なのである。ましてや、着物なので暑いことこの上ない。
この時代すべての季節において快適に生活できるのは、帝とその側近だけだったのである。
自然豊かな界巌帝(都なのに自然いっぱいなんですね)に流れるいくつかの川はもうほとんど干上がってしまって木は枯れ、だんだん生態系が崩れていくのが目でわかる。
そんな一哉の元に、出来るだけ来て欲しくない人物がやってきた。
「申しありません。神藤 一哉様は居られますでしょうか!!」
大きな声で、叫ぶ男がいた。
「何用だ?」
「は。私は界巌帝郷からの使者でありますれば・・・」
「帝が私に用なのか?」
「は。帝様が一哉様を一刻も早く界巌帝郷にお連れせよと・・・」
界巌帝郷とは、帝の住む屋敷のことである。できれば、そこに行きたくは無いと一哉はつくづく思っていたのである。
「分かった。今支度をしてくる」
支度をしながら
「(面倒なことになったな・・・)」と思っていた。




界巌帝郷。
「私に何用でしょうか?」
やっぱり、ここは涼しい。一哉は和みたい気持ちを抑えて帝に聞いた。
「(やはり、説教だろうか・・・)」
と思っていた一哉だが、帝は一哉の予想を裏切るような内容だった。
「ここ数週間、凄まじい日照りが続いておる。わしはそこで、隠密に調査をさせたところどうも怪魔が関与していることが分かった。そこで、見つけたのが紅い熱石なのじゃが・・・。破壊しようとおいて置いたところ、消えうせてもうてな。そこで、発見次第破壊してもらいたいというのが今回の伝達じゃ。」
「しかし、何故私の元にあの者を?」
「何。隠密に調査していたからに決まっておるだろう。」
「しかし、隠密にする・・・」
「怪魔が出るなど人民に知らせては国内の治安が安定せぬ。だからじゃ。」
帝はそう言うと、奥の部屋に下がっていった。
帝の名前を知るものは居ない。どこから来たのかも分からない。そんな不思議な人物だ。
一哉は界巌帝郷からの帰り道、あまりに暑いので茶屋に寄って行った。
「すまぬ。緑茶とわらびもちをくれぬか?」
「はーい。」
一哉が寄った、茶店は「緑煌亭(りょくこうてい)」という茶店で、当時界巌帝で最も人気があった。もちろん平日から休日まで年がら年中人でいっぱいの店だった。
「はい。緑茶とわらびもちです。」
一哉はついでに、持ってきた若い娘に尋ねた。
「お前。紅く、熱い石をこのごろ見たことはあらぬか?」
「紅い石ですか・・・。う〜ん・・・。どっかで見たことあるような・・・。あ!そうだ。4日前の事なんですけど・・・。石かどうかはよく分からないですけど、何か急に日差しがきつくなったなと思って空を見上げたら、紅い何かがどこかに落ちていくのが見えましたよ。」
「そうか。済まぬな。」
「いえ。どうも。それではごゆっくり・・・。」
茶店の娘は丁寧にお辞儀をすると下がっていった。
「空に・・・か。となると、石自体が怪魔なのか?」
そう、一哉が呟いたその時だった。
突如、空が紅くなり気温が上がった。
その瞬間だった。

ズドオォォオン・・・・!

物凄い砂埃が上がる。
「なんだ、なんだ!?」と茶店の客は慌てる

なんと、その茶店の前に巨大な紅い石が落ちてきていたのだ。
一哉はすぐさま破壊しようとするが、凄まじい暑さのために近づくことが出来ない。
「・・・。ターゲット補足・・・。イマカラ任務ヲ遂行スル・・・。」
なんと、紅い石が喋り始めたのだ。
そして、紅い石は発光をやめ周りの気温も元に戻っていく。
その時だ。石が変形を始めた。石はまさに怪魔だったのだ。
「神藤一哉だな?この、『灰炎衝』貴様を塵にしてくれる。」
言い終わるか終わらないかだった。
「暴・天・爪」
いきなり、怪魔の必殺技が炸裂した。
建物が燃え始める。しかし、一哉はすんでのところでかわしていた。
「"減雪・降雨・雷鳴・竜巻 我が力となり全てを裂け!!" "水甜斬!!(すいてんざん)"」
一哉の手の先から水の剣が飛び出し『灰炎衝』を裂く。
「貴様の炎は、私の術の前に消えるのだ・・・。」
一哉が言った。


しかし、・・・・


ザグッ!!
肩に『灰炎衝』の爪が1本突き刺さっていた。
そして、斬られたはずなのに『灰炎衝』は平然としている。
「何!?」
「俺の属性を炎だとでも思ったのか?ククク・・・。見かけだけで判断してるんじゃねえよ!!」
確かにそうだ。しかし、通常怪魔は自分の属性攻撃しか出来ないのである。ありえない話だ。
「溶・鳳・岩!!」
燃え盛る岩が天から降り注ぐ。
「良かろう・・・。"片鈴の鐘・絡みつく鎖鎌" "白光・暗黒" "白き龍を掴みて 天地を変えろ!!" "白光錬孔!!(はくこうれんく)"」
今度こそだ。一哉から放たれた白い無数の槍のような光が、燃え盛る岩を、『灰炎衝』を切り裂く。
「ギエェェェェェエ!!」
凄まじい咆哮をあげて『灰炎衝』が消滅する。
ことは終わったかに思った。しかし、原因が消えても日照りは続いている。
その様子を、物陰から見ていた男がいた。その男、右手が龍の手なのだ。
その男は「やはり、奴があれを送り込んだな・・・」と言ってどこかに消えた。
一哉はあたりの建物の消化を術で手伝っていたが、自分の屋敷の方で紅い光が一線空に向けて放たれているのに気づいて帰る事にした。
「恐らく、あそこに真の敵がいるに違いないな。」



一哉が屋敷に戻ってみると、屋敷の前で例の光が門の前で光っている。
そこに、紅い石があった。
一哉は迷わず破壊した。その時だ。
空が割れた。紅い光に乗せて何か巨大なものが降臨してくる。
「俺は炎の四天獣・『砕火』。覚悟しろ。」
『砕火』と名乗る怪魔が地面に着地した。
一哉の周りを炎に包まれる。逃げ道はなくなったのだ。
その時、通行人の1人が巻き込まれてしまった。
『砕火』にとってはどうでも良い事らしく、
「いくぞ!!」
そう言うと、『砕火』は凄まじい威力のパンチを繰り出してきた。
一哉は、相手の力試しに呪文を唱える。
「"減雪・降雨・雷鳴・竜巻 我が力となり全てを裂け!!" "水甜斬!!(すいてんざん)"」
水の剣が相手を貫こうとするが、通らない。
「そんな、低級呪術で俺を倒せるとでも!?笑わせるなよ!」
「(こやつ・・・。かなり出来ると見える。)」
一哉は焦らなかった。何しろさっきの術はかなりレベルの低い術だったからなのである。
「死ねい!!"天地・天空" "炎上・縛炎・神の領域を超え地面を割り大智に刃を突き立てろ" "炎斬嶽!!」
『砕火』が必殺技を出す。


しかし・・・


「"陳列される刀の列!" "水流・氷山の頂上" "33体の死骸" "全てを流し無に返せ" "無水凍翔!!"」
凄まじい氷の刀と水の刃が『砕火』の肩を切り裂く。
「おのれええええ!!くそ!さっきの必殺技など最強ではないからな!!覚えておけ!」
そう『砕火』が叫ぶと、紅い光に乗せどこかに消えた。
日照りが収まってきた。そして、雲が物凄い勢いで界巌帝に押し寄せ、雨を降らした。
そこに、佐奈姫が帰ってきた。
「あ!一哉様。そんなところにいたら風邪を引きますよ。・・・。それにしても、久しぶりの雨ですね・・・。」
「ああ。(しかし、四天獣とはいったい何者なのだ・・・)」
そこで、一人の女が駆けつけてくる。
「あんた、神藤一哉でしょ?さっき巻き込まれたうちの人を蘇らせてよ!!」
「それはならぬ。」
「何故ですか!?」
「死した者を蘇らせる事などできぬ。人は皆平等に死ぬのだ。それを無理やり自然の法則を変えることは許されぬのだ。」
「でも、できるんでしょ!?」
一哉は溜息をついて言った。
「肉体が無ければ蘇らせる事などできぬ。そもそも、蘇生とは殻の肉体に魂を入れるだけのことだ。さらに、入れることが出来るのは、強制的に魂を抜かれたものだけだ。去るがよい。」
その女は、号泣したがやがて
「わかりました。無理を言って申し訳ありません。」と言って帰っていった。
凄い雨だった。
それから、3日間ずっと雨だった。川は元に戻った。





「どうだった?」
界巌帝のどこか暗闇で、不気味な声が聞こえる。
「ええ。強いですね。ご主人様の力に十分成りうる男です。」
こう答えたのは、『砕火』だった。
「そうか。次はどうしてくれるかな。・・・。一哉よ。俺の存在に気づけるか?ククク・・・」
声の主は分からない。ただ不気味な声が流れていた。

一哉は、まだ四天獣をまとめる本当の敵がどこにいるか気づいてはいない・・・。





あとがき
第2章「死と闇」どうでしたか?
1日がかりで書き上げましたが、自分なりには良くかけたと思います。
このごろ、財政が厳しいんですよねえ。
7月はBLEACHのオープニングの発売、8月はエレメンタルジェレイドとBLEACHの最新刊の発売日。
更にレンタルCDも・・・。とまあ、いろいろですね。
皆さんはどんなマンガが好きですか?
ではこの辺で・・・(バーイバーイ

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